遥か遠い昔の話――如何なる願いでも叶えられる“黒衣の書<エピストゥラ>”と呼ばれる魔道書が存在していたという。あるモノは巨万の富を手にし、あるモノは不老を手に入れ、時代の権力者となった。しかし、権力者たちの時代は長くは続かず、突如として“謎の死”を遂げ、その存在は消えていった。時を同じくして、人々の間では“死神を見た”という噂が立ち始める。権力者たちは死神に命を奪われたのだと……。そして時が経つにつれ、これらの出来事は人々の記憶から風化していった――そして現代。世間では“謎の連続猟奇事件”がテレビで報道され、同時に“ある都市伝説”の話題も人々の間で噂されるようになっていた。――ある日、同じ学園に通う学生を街で見かけた浅山瑠依。その学生が消えた先の路地裏、そこで見た光景は――漆黒を切り裂く月光に照らされた“死神”の姿だった。