逆立ちしてたら見えない空……でも、時折目を背けたくなる。主人公“高岡晃範”は、そんな性格だった。腐れ縁の“山南南”と学園に着いた朝、南の差し出す携帯電話から流れるニュースに耳を疑いながら、晃範は何故か空を見上げていた。一筋の白い帯を真っ直ぐ空に描いて、それは落ちてくる。もうもうとあがる煙の向こうで、頭を抱えて縮こまる人工衛星の女の子が。本人は人工衛星で、晃範とは知り合いだと言うが到底信じられない。南と晃範は、人口衛星「あさがお」の真偽を確かめるべく、話を聞くことになったのだが、その過程で晃範はある事実を知る。本人としては忘れてしまいたい黒歴史。だがそれが、あさがおと晃範を結びつける確かな証拠だった。あさがおの望みである「晃範の平和を守る」という行為を認めることになり、更に次々とモノが女の子に……。痛む胃を押さえつつ、晃範はやはり目を背けたくなった――。