学園に臨時講師として赴任した俺。学生名簿に彼女たちの名前を見つけたとき、俺の頭の中で何かが弾けた。「佐伯美紀恵」「新崎聖美」佐伯は有名な音楽家の娘で、将来有望なピアニストと言われている。二人ともまだ顔を合わせたことはないが、さなえを破滅させた原因であることは間違いない。佐伯の父親は娘のライバルのさなえを潰すために、新崎と共謀して事故にみせかけてさなえの指を折ったのだ。さなえは将来を奪われて絶望し、陰鬱になって俺の元を去った。復讐……そう呼ばれるものかもしれない。これからはこの高揚感が、さなえを失った俺を支えてくれそうだ。そして、共に復讐を果たすために俺に服従さえ誓う久永小夜子が現れた事で、その思いは一気に加速した。