物語はそろそろ秋も終わりに近づき、いよいよ寒さも本格的になってきたころに始まる。いつも通り日常を過ごす主人公。だがしかし、主人公の気づかないうちに何かが起きていた。発端は学院の生徒の一人が、魂の抜け殻のようになって発見された事に始まる。医師にも原因不明としか判断できず、心臓などの器官は正常に動きながら、一切の知的・反射的反応を示さないその様は、まさしく『抜け殻』というより他に無かった。この出来事は、学院にちょっとした恐怖とほのかな興奮、そして大いなる好奇心を巻き起こした。そんな出来事とは関係なく、主人公はいつものように適当に時を過ごし、天気のいい日の昼休みは屋上に寝転がり、興味の無い授業は寝て過ごした。だがそんな主人公の元にも異変は訪れた。以前から会えばケンカばかりの腐れ縁、『黒川龍也』の豹変であった。それまで辛くも龍也に全戦全勝だった主人公は、ある日突然人間とは思えない『力』を手に入れた龍也に叩きのめされ、まったく手も足も出なかった。命の危険すら感じるほどだった。主人公はこの時初めて自分に負け続けていた龍也の暗い執念を知り、その日から主人公の世界は変わり始めた。日に日に『抜け殻』は増え続け、主人公も目の当たりにするようになり、そして主人公の気を許す教師である『新条巴』や『大石力也』の謎めいた行動。理事長や教頭の不審な動き。事件に巻き込まれていくうち、主人公は理事長や教頭達の、愚かながらも危険な計画を知る。その計画に龍也が利用されている事も……。関われば危険な道。だがすでに片足を突っ込んでいた主人公は、仲間達と共に逃げずに立ち向かう。その先に何があるかも知らずに……。