昔の行事……。それは、みだらで淵いものだった――。「小呂町(おのろちょう)」――少し前までは漁業で栄えた町であったが、この所不漁が続いており、漁業の町としての存続が危うくなっていた。不漁である以上、どうしようもないと町の人々も思っていたがそんな時、一人の町人の発案で昔の行事を再開することに……。大昔の豊漁祈願の行事――町のはずれにある立ち入り禁止の場所。そこで7日間、身を捧げなければならないというものだ。その間、巫女は海の生き物の全てを受け入れ、決して拒んではならない。その行事の巫女に選ばれた「奄美汐香(あまみきよか)」と「志賀野小瑚(しかのここ)」を待ち受けるものとは?