天皇家・公家の政治がまだ荒々しく謀略に満ち満ちていた頃……。時代の要請に応じるがごとく狩部(かりべ、狩りを司る役職)たちは剣技、格闘術はもとより薬師や呪術の対抗術を身につけ、それを良くこなす者たちによる超人集団を形成していた。無論、それら全てを一人で極められる超天才は現代に至る狩部の中でも数えるほどしかおらず、多くの場合は基礎的な技術を習得した後、専門分野の熟達者におさまる。もちろん、そんな彼らとて凡夫と比すれば超人に等しいのだが……。そして二千年の時が流れた現代――。一見して平和に見られる世界の裏側に、数々の謀略が渦巻くこの世の中。“津雲祭子”、“御都樹ひとみ”、“八神朱鷺子”、“朽道戒”の4人の狩部たちが集い、「狩神」として法では裁ききれない悪を滅殺するため、長きの沈黙を破り人知れず活躍し始めるのであった。