神宮寺弘士(じんぐうじ・ひろし)は学生である。姉が五人もいることと、家が大きな神社であることのふたつを除けば、ごくごく平凡な学生のはずであった――そう、あの春の日までは!弘士は下校路の途中にて壮絶なものを目撃する。それは、銀河の平和を守る正義の宇宙人の、傷つき息絶えた無惨な死体であった。いや、違う、正確には、いままさに息絶え死体になりつつある宇宙人であった!《この町に、地球侵略を企む悪の宇宙人が降り立ってしまった……私はもう駄目だ、だからきみに託そう、悪の宇宙人を見つけだし、地球から追い払うんだッ!……ガクリ》死んだ。一方的に地球の平和を託されてしまった弘士は、仕方なしに悪の宇宙人探しを始めるのだが、何と、正義の宇宙人から渡された唯一の宇宙道具『宇宙人スキャナー』は、弘士の家に目標がいると反応するのであった。まさかそんなと訝しがる弘士は、ひとつの異常に気が付く。姉が――五人のはずの姉が。違う。いままでと違う。五人ではないのだ。六人――姉が、六人いる!!!!しかも、どの姉にも、見覚えがあるのだ!偽物は、愛する姉さんに化けた悪の宇宙人は、一体どの姉さん!?