【淫獣(いんじゅう)】。単一個体しかいないためか、人間の女性を襲い繁殖をしようとする動物の総称。大昔から存在する彼らには現代兵器ですら、まったくダメージを負わせることができない。人々は淫獣と契約して淫獣同士を戦わせることで、要は毒を持って毒を制することで対抗してきた。そして現在。淫獣と契約出来るものは【異胎者(いたいしゃ)】と呼ばれ、代々異胎者をしていた【神来社(からいと)家】の長女『天恵(あめ)』は、【雷帝鷹(らいていしゅう)】を使役し、今日も女性を襲う淫獣を倒していた。その姿を見て賞賛するものの中に、次女『地恵(ちえ)』と三女『海恵(みや)』の姿もあった。その夜、地恵は自身の淫獣である【朧犬(ろうけん)】を連れてお手洗いに行く途中で偶然、天恵が雷帝鷹に血を流しながら犯されている姿を目撃する。そこに海恵も現れて、あれが淫獣を使役するために支払らわなければならない代償だと聞かされる。そのことを初めて知った地恵は驚きを隠せない。それから数時間後。大騒ぎする神来社家で天恵の後を追ってきた地恵が目にしたのは、禁約の淫獣【暴蝕蛸(ぼうしょくしょう)】を使役し、雷帝鷹に乗った天恵と対峙する海恵の姿だった……。