<大繁盛しているがメイドのなんたるかを判っていないメイドたちが真のメイド喫茶として立ち直るまでの奮戦記>東京、秋葉原。電気街とは名ばかりのオタク街の奥にそのメイド喫茶はあった。帝国時代から抜け出してきたような瀟洒な作りと広い敷地。再開発の進んだビル街に似つかわしくないその場所こそ、秋葉原の影の名所。メイド喫茶<鹿鳴館>旧華族の屋敷をそのままメイド喫茶として改装したこの店は、現在の萌え文化発祥の地といわれる程の影の名店であり、紹介者なしでは入れないにも関わらず、連日大盛況の賑わいであった。だが、その実体は容姿中心で選ばれたメイド達がちやほやされる、実のないメイド喫茶となりはてていた。その状況を危惧していた経営者である主人公の叔母は、オタクの才能がある主人公を召喚する。彼は、「萌え」の実態をメイド達に教えようとするが、誰も彼のいうことなど聞いてくれない。それどころか、みんなで暮らしている寮の小間使い的な扱いをされてしまう勢いであった。今日もメイド達に虐められ、悲しげにお屋敷の前を掃除していた主人公の元に、クラシカルなメイド服を着た少女が話しかけてくる。「あの……こちらでメイドを募集していると聞いたのですが……?」この運命的な彼と彼女の出会いが、メイド喫茶復興の奇跡の始まりである。