都内某所。大東京コンクリートジャングルのド真ん中にある高級住宅街。そこに朝比奈夫婦が住んでいた。夫・わたると、妻・れいこの二人暮らし。結婚してから、しばらく夫婦二人で住んでいたのだが、数年前から同居人が次々と増えた。長男である、わたるを頼ってきた二人の居候。リストラをされ困窮していた、次男・たけし。あともう一人は、弁護士を目指して上京してきた、三男・まことだった…今日も、たけしが居候してから日課として欠かさずやっている、わたるの所有する高級車の洗車。スポンジに泡をつけて、一所懸命磨いている。すると、わたるが玄関から現れて、ホースを手に取って「おい」と、呼びかけた。すると、その声に反応して振り返ったたけしに躊躇も無しに思いっきり水をかけた…