主人公、立花 健人（たちばな　けんと）は学生ながら、将来を嘱望された水泳選手だった。しかしある時、暴走車から見ず知らずの子供をかばって大怪我を負い、引退を余儀なくされる。それから一年。リハビリを終えた健人は、元コーチの口利きでとあるスポーツクラブに就職する。復帰は絶望的だが、泳ぐことを辞めたくないと言う健人の希望である。それは幼い頃にかわした、ある人との誓いでもあった。そして初出勤の日、健人は自分の赴任先が女だらけのスポーツクラブであることに愕然とする。そこは系列店で唯一、女性の支配人が運営するクラブで、リーズナブルな会費と充実したリラクゼーション施設が評判を呼び、近隣の人妻達の憩いの場になっていたのだ。あまつさえ、隠していたはずなのに健人が元水泳選手であることもクラブ中に知れ渡っている。ただでさえ女性に免疫がない健人に、遠慮のない人妻達の好奇の目線が突き刺さる……。そんなこんなでどうにか出勤初日を終え、人気のなくなったプールにぐったりと浮かぶ健人。こんなんで、これからやっていけるのか？そんな事を考えていると、誰かがプールに飛び込んでくる。それは10年前に離ればなれになってしまった憧れのお姉さん、鳴島 愛だった。