月の綺麗な夜に、“伊萩滝”は不思議な格好をした黒ずくめの少女と出会う。彼女は羽の生えた白い猫のぬいぐるみを抱えていて、それを“メデス”と呼ぶが、彼女自身の名前は無いと言う。滝は身よりのない、この名無しの子を連れて自宅のアパートへ帰るが、そこには幼馴染で自分をお兄ちゃんと呼ぶ“吉野凛”、無気力で無愛想だが容姿端麗で頭脳明晰な“中羽聖”、わがままで気分屋なアパート管理人の“松矢七菜”が居る。「この子はどこの子なの！？」――この言葉から物語は動き出し、親友の“鍬谷将”、その父親のエロオヤジ“鍬谷拳”、村一番のお金持ちでお嬢様の“白河つみれ”を巻き込み、松矢七菜の同人誌仲間で、天之神社の巫女の“飛鳥都”まで加わって大騒動。凛の滝への気持ち。性別を超えた友人、聖との関係。その聖に恋心を寄せる男友達の将。滝を優しく包む都。滝に助けられて一目惚れするつみれ。と、恋の方も混乱するばかり。しかもエロ同人本を都と作る事にした七菜達に、エロオヤジ拳のセクハラアドバイスは滝達も巻き込んでの馬鹿騒ぎ。 しかしそんな平穏な日々も、不審火による聖の死と突然現れた彗星によって、崩壊していく……。