海と川に囲まれ、埋め立て地には近代的な高層ビルが建ち並ぶが、足元には古くからの下町も残る町。砂夜浜町。河口を望む香鳥臨海学園に通うおれたち男子学生たちは、黄昏れていた。男女比2:8、男が2で、女が8だ。何を悲しむことがある、と思うだろう。しかしそこにハーレムなどないのだ。男はほとんど「いないもの」として扱われている。「このままでいいのかよ」数少ない男友達が言った。いいわけがない。このままではこの先の学園生活が真っ暗である。あと二年もあるのだ。でも、どうすればいい?「つまりだ。皆に必要とされるようになればいいわけだろ。俺たちが目指すものは……ヒーローだ!」かくしてよろず事件を引き受ける非公式部活動「ヒーロー部」が作られ、さまざまな人を巻き込んでいくのだが……多少の勘違いと中二的発想を胸に繰り広げられる、暴走系学園ラブコメディ開幕!