「アルクベルド」の平穏をよそに、「ヴェルドー」と「カインスハイズ」の戦いは日々激化をみせていた。「ヴェルドー」第二王子との縁組により「アルクベルド」の金山利権を掌握したい「ヴェルドー」の王はその様子を「アルクベルド」には知られまいと情報操作を行っていた。「カインスハイズ」の王はまるで魔物にでもとりつかれた用に侵略を繰り返し(事実、人ではないものが軍勢に混ざっているとの目撃情報もある)、「アルクベルド」とさして変わらなかった領土を拡大し、わずか数年で隣国を掌握。「ヴェルドー」と同等の領土を手に入れ、その勢いでは「ヴェルドー」をはるかに凌ぐ勢いだった。「アルクベルド」の美しい皇女の話を聞き及び、「ヴェルドー」とその皇女を手に入れるべくさらに激しく「ヴェルドー」を攻め続け、ついには「ヴェルドー」を「アルクベルド」との国境付近まで追い詰める。追い詰められた「ヴェルドー」の王は自らの保身のため、「アルクベルド」に攻め入り、その金山利権をもって「カインスハイズ」との和睦を謀るという選択を行うことを画策する。第一王子は「カインスハイズ」との戦いに備え、「アルクベルド」に駐屯大使に就任する。危機感の無い第二王子を退かせ、邪魔な女達を奴隷化し、「アルクベルド」のすべてを掌握する為に……。平穏な日々から戦乱。やがて蹂躙されていく「アルクベルド」。物語はその征服の過程から始まり…王女、皇女、従者、将軍……その苦渋の日々を描く。