麻里亜は、筋金入りのお嬢様だ。幼稚舎からエスカレート式の女子校に通い、青○女子短大を卒業後は、就職することもなく親のすすめで政治家の卵と結婚した。彼女は私の経営するペットショップにヨークシャーテリアを買いに来た。旦那とは不仲なのか、表情は曇っていた。話しかけると、恥しそうにチラりと上目遣いで様子をうかがってくる。地味なブラウスに、ブラヒモがくっきりと浮かんでいた。恥ずかしそうにしているが、無防備ゆえ大胆だ。夫婦生活がうまくいっておらず、欲求不満なのは目に見えた。私の家に遊びに来れば、血統書付の犬をもっと見られるからと誘うと、麻里亜は無防備な笑顔を浮かべてうなずいた。(ヤブサメ)