母・由樹にとってみれば、その行為自体は何ひとつ悪意あるものではなかった。いやむしろ、母ひとり子ひとりの母子家庭に於いて、日常生活を営む上で決して欠かせない、極めてありふれた、主婦としての「家事」の一環であった。ところが息子には違った。何気ない屋内の掃除。前傾姿勢でゴミを拾う母の、むっちりとした臀部の膨らみに、息子はハァハァと息を荒げていた。一日の疲れを癒す入浴。其れすらも、息子の眼には、格好の覗き見オナネタとして映った。そんな息子に視線に、実は母は気づいていた。気づいていたが、如何せんはっきり咎める事が出来なかった。故に母は相談した。息子の担任を名乗る、怪しげな背広男に。諸悪の根源は、息子でも教師でも無かった。源流求めて辿ってゆけば、全ては大河に集まるのか。悪いのは全てアナタの膨らみ。母なる柔肌四十路美尻。麗しの美人母は、その事実に気づくのが、少々遅すぎたのだ。