「ね、あなた『魔法少女』にならない?」 学園から帰った沙枝を待ちかまえていたのは、信じられない事態だった。突然、自室に現れた宙に浮く身長20cmほどの少女が「魔法少女になれ」と迫ってきたのだ。「私はエーテルランドの妖精、エミット。女王様に沙枝の補佐をするよう仰せつかったの」そして妖精は、沙枝に託された驚くべき使命を述べる……。より強力な魔力を得るために人間の「思念」のエネルギーを貪ろうと、異世界エーテルランドから禁忌を犯して人間界へ来る異世界からの侵入者、通称「違反者」たち。少女は、エーテルランドの女王に、彼らと戦うことのできる魔法の素質を見出されたのだ。違反者に思念を吸われた者は精神が衰弱し無気力になってしまう。確かに沙枝の周りではこの症状に陥る者が続出していた。それは沙枝の強い思念に惹かれて違反者が集まってくるためだ。しかし、違反者を倒せば思念は犠牲者の元に戻り回復する。そして自分にはその力があるという。最初はあまりに突拍子もない話を拒否していた沙枝だったが、心優しい彼女にとってこの事実を見過ごすことは出来ず、ついに承諾。魔法少女として違反者と戦うことになる。――しかし、違反者の好みも様々で、淫らな思念を好む者も多いことを沙枝はまだ知らなかった。