二人の鼓動が重なって……そして、ぬくもりに包まれる。急激な胸の高鳴りと、緊張で呼吸が乱れて、ちょっと苦しかったけど……今までの生きてきた中で一番嬉しい瞬間。いっそ、このまま時間が止まってしまって欲しい……。私たちは……その日から恋人同士になった。永遠に続くと思っていた愛しい日々。私たちは少しずつお互いの想いを温めていた。二人でいるのが当たり前だった。どこに行くにも二人一緒だった。でも……私たちの前に立ちはだかった現実の壁。未来を描き続けてきた夢への挫折。すれ違う想い、失意の別れ……。そして──再会。以前よりも深く結ばれた私たちは、同じ場所で暮らす事を決意した。私たちは見知らぬ土地への淡い期待を胸に上京する。二人一緒の新生活が始まり……私たちは同じ夢に向かって、忙しくも充実した毎日を過ごしていた。幸せだった……。「ずっと二人で歩いていける」そう思って疑わなかった……。